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子供について
私はもともと子供が欲しくありませんでした。
子育てをするとキャリアが止まってしまうし、
周りの子供を産んだ人たちは大変そうで、どんどんくたびれていって
幸せなんだろうけど、大変そうに見えたから。
あと、私の実家はお金で苦労していた家なので、
お金で苦労することが何よりも怖かったのもあります。
思うように働けないのに、子供にお金もかかるし。
家だって、夫婦で済むよりは広いところが必要になる。
そんなわざわざ苦労することを選ぶ気にはなれませんでした。
妊娠
そんな私が妊娠しました。
想定外だったので、
はじめはものすごく戸惑いました。
でも不思議なもので、妊娠検査薬の陽性反応を見たら、
ものすごくうれしかったのです。
私がお母さんになるの?なっても大丈夫なの?
何度も考えましたが、
それでもうれしくて夫と母、義母にすぐに報告しました。
今思えば、陽性反応くらいでみんなに言うべきではないですね。
病院に行って、調べてみたら
小さい胎嚢が見えました。
「また2週間後に来てください」
そう言われて病院を出ました。
もうすっかり妊婦気分で、
「男の子かな?女の子かな・・」とウキウキ考えたのを覚えています。
2週間後に病院に行くと胎嚢が大きくなっていましたが、
中には何も見えません。
医師からは「まだ初期なので、また2週間後に来てくださいね」と言われ、
普通に診察が終わりました。
でも、家に帰って調べてみると
妊娠6週目で胎嚢しか見えないなんて、
そんなことはほとんど書いておらず、
「心臓がピクピク動いているのが見えました!」
「胎芽が見えました!」
などの情報ばかり。
次に診察に行くと妊娠8週・・・
その頃には小さい赤ちゃんが見えるのでしょうか・・・
流産?
妊娠8週で病院に行くと、
やはり空っぽの胎嚢だけがエコーに映りました。
覚悟はしていたものの、流産の文字が頭に浮かびました。
病院ってものすごく慎重で、
どう考えても赤ちゃんはいないのに、
「また1週間後に来てください」と、
その日は正式な診断はされませんでした。
この1週間がとてつもなく長い。
同じような経験をされている方って、
きっとたくさんいるんでしょうね。
妊娠全体の流産の確率は約15%なんだそうです。
そのうち妊娠初期の流産は13~14%。
結構な確率ですよね。
妊婦さんが10人いたら、1人以上は流産してしまうのですから。
人って不思議なもので、
これだけ高確率だったとしても、
まさか自分がその確率にあたるなんて思いもしないのです。
今まで子供はいらないと思っていた罰なのかな。。。
そもそも母親になる資格なんてなかったのかな。。。
自分でもびっくりするくらいネガティブになっていました。
赤ちゃんのことばかり考える日々だったので、
ずっと子供はいらないと思っていたことなんて、
その頃にはすっかり忘れて、子供のことばかり考えるようになりました。
超初期の流産だったので、
流産の手術後、比較的早く妊娠できる状態になりました。
医師からも「そろそろ次の妊娠を考えてもいいですよ」と言われ、
早く妊娠したいと思いました。
流産した赤ちゃんが帰ってくるのでは?
流産したことのある方は結構そう思うようで、
いろいろな体験記を読むと
そんな思いがたくさん綴られていました。
今度は不妊?
妊活を再開してから約1年、まったく妊娠の気配はありませんでした。
仕事は忙しいし、生活は不規則だし・・・
いろいろ言い訳をずっと考えていましたが、
気になることはすぐに知りたい性格なので、
不妊治療を行っているクリニックに行ってみることにしました。
血液検査やエコー検査など、
初めに行うような検査を一通りして、
結果を聞くと
「特に大きな以上は見られません。
たまたまタイミングが合わなかったのかもしれませんね。
基礎体温をしっかりつけて自分の体の周期を知ることから始めましょう」
そういわれて、基礎体温表を渡されて帰宅しました。
そして、また次の排卵前に来るように言われていたので
1か月後に来院すると、
「うーん、ちょっと男性ホルモンが多いんですよね。
お仕事は何をされていますか?
あなたは頭の中が男なんですよ(笑)
一回お仕事辞められてみたらどうですか?」
今、思うとびっくり発言なのですが、
その当時は
「たしかに私の頭の中は男なのかも」
「昭和のサラリーマンみたいな働き方してるしな・・」
とすんなり医師の話を受け入れていました。
でも、その時は仕事が乗っている時期だったし、
仕事を辞めるなんて全く考えられなかったので、
仕事をつづけながらなんとか母になりたい。
そんなことをずっと考えていたのを覚えています。
周りに私と同じように、
妊娠したいと思っている同僚もいたこともあり、
悩みを相談しながら、気分の浮き沈みはありながらも
なんとか妊活を続けることができました。
初めて不妊クリニックに行ってから1年。
私は妊娠したいと思ってからもう2年が経っており、
人工授精などはどうしても考えられず、
妊娠を半分あきらめかけていました。
そんな中、同僚が妊娠しました。
一緒に悩んでいた仲間だったのもあり、
「おめでとう!」と言いつつ、とても複雑な気持ちでした。
性格悪いな~と思いつつも、
「なんで私だけ」と思わずにはいられませんでした。
でも、そんな私も
同僚の妊娠発覚から1か月後、妊娠したのです。
嘘みたいですが。
それからは少し前に抱いた黒い感情のことはすっかり忘れ、
同僚と楽しい妊娠ライフを送りました。
障害児の母になる
そして、それから10か月後
私が産んだ子供には障害がありました。
出産して、数日後に発覚。
その日から私は障害児の母になったのです。